ISO800のフィルム図  オーロラは、天体写真の星や月と同じように、その明るさをよりリアルに写真に 撮るためには、「高感度フィルム」と言われるフィルムを採用することが多いです。

「高感度フィルム」とは簡単に言えば、暗い物体もより明るく 映し出すことができるフィルムのことです。
市販のフィルムには「ISO100」とか「ISO400」のような 文字が記述されています。「高感度」の「感度」とは、この文字の数字の部分を表しており、 数字が大きいほど感度が高い(暗い物体も写せる可能性が高い)ということになります。
 ただ、数字が大きいほど、暗い被写体を写せるのですが、粒状性(画面の荒さ)が大きくなるので 写真を引き伸ばしたときに、見た目から粒子の粗い写真になってしまうことがあります。




カメラ本体の絞り値がF2.8以下に設定されていれば、感度はISO800程度で十分オーロラを 撮影することができます。(ISO400でも、もちろん撮影できます)



 冬・春のアラスカのような寒冷地にて、フィルムを扱うときには、いくつかの点に注意を払う必要があります。 最近出回っているカメラのほとんどが、オートフォーカス(AF)カメラであり、フィルム巻きも自動になっています。 ただ、寒冷地であるため、電池の消耗が激しく、また、結露などの原因でカメラが故障することもあります。 「機材」の部で、説明しましたが、できれば、手巻きの「マニュアル式」のカメラをお勧めします。
  ここでは手巻きによるフィルム操作の点、フィルム交換についてのお話をします。
  気温が低い場合、フィルムの伸縮性が麻痺し、フィルム巻き動作に耐え切れず、切れてしまうことがあります。 オーロラが現れても、「慌てず」「ゆっくりと」フィルム巻きをしましょう。フィルムが切れてしまうと、その処理のために、 寒い中、かじかむ手を我慢しながら修復作業を行うことになってしまいます。



 カメラは、精密機械です。よって、結露の発生は、修復不可能の故障を誘発するか、レンズにカビが発生してしまうことになります。  結露は、急激な温度変化によって発生します。よって、長時間、寒い外に設置されていたカメラを、フィルム交換のために、 暖かい室内に入れることは、結露発生の原因となります。 外にて、懐中電灯などを用いて作業を行うか、 カメラ本体をカイロやタオルにてぐるぐる巻きにして、外気の温度変化の影響をカメラに与えないようの工夫が必要です。